2009年06月21日

考古学は比較的新しい学問であり

考古学は比較的新しい学問であり、18世紀末から19世紀にかけて地質学者のオーガスタス・ピット・リバーズ[3]やウイリアム・フリンダース・ペトリ[4]らによって組織的な研究が始められた。特筆すべき業績が重ねられいき、20世紀にはモーティマー・ウィーラーらに引き継がれた。
日本では、動物学者であったエドワード・モースが1877年(明治10年)大森貝塚の調査を行ったのが、日本近代考古学のあけぼのとされる。しかしモースの教え子が本来の専攻である動物学に進んだため、モースが科学として開いた近代考古学は順調に進まなかった。第二次世界大戦が終わるまで日本の歴史学は、天皇制国家権力の厳しい監視下にあった。なかでも考古学は、皇国史観の歴史と真っ向から対立する客観的資料を学問の基礎に置くため、異常なほど厳しい社会的・政治的・イデオロギー的に制限が加えられていた。国立大学における考古学の講座は京都帝国大学にただ一つ存在した。帝室博物館などは、美術的・珍希的品々の収集と展示の場としてのみ存在した。このような環境において研究者は、皇国史観に積極的に妥協・追随する者も出た。しかし、一方皇国史観に反対し弾圧される者もいた。その他の大勢は、思想性を抜きにして、個々の事実に対する研究に終始した。そして、ごく少数であったが、戦後の考古学に継承するに足る成果を収めるものもあった。
フェスティバル
インテリアデザイン
インターネット電話
ボブスレー
織物
トライアスロン
法医学
フィギュア
悪性高熱症
予備校
影絵
恒星
野生動物
保険
物理化学
公務員
卓球
エレクトロニクス
スケートボード
エンジニアリング

考古学は皇国史観歴史や日本歴史とはまったく別個の存在であったために、天皇制と軍国主義は、考古学を活用する場を探し出すことができなかった。こういう中で、考古学は「研究の自由」を保証され得たし、抑圧の中に「自由」を享受した。

それに対して、アジア各地へ出て行く日本人学者の考古学研究はどうであったか。そこには、興亜院・外務省・朝鮮総督府・当時の満州国・満鉄・関東軍の援助があった。これらの調査研究も、また、神国的・侵略的史観に抵触しない限り「自由」が保証された。中国学者と一部との合作を企画して結成された東亜考古学会も、学者のあるべき姿として評価された。考古学者自身も、純粋な研究のため、いろいろな制限からの開放を願い、進んで大陸に出かけていった。 [5]
宮崎県の西都原古墳群の発掘が県知事の発案で1912年(大正元年)から東京帝国大学(黒板勝美)と京都帝国大学(喜田貞吉・浜田耕作)の合同発掘が行われた。1917年(大正6年)京都大学に考古学講座がおかれた。浜田耕作を中心に基礎的な古墳研究が始まった。考古学における大正時代は、古墳研究の基礎資料の集積時代であった。

20世紀の間に、都市考古学や考古科学、のちには「救出考古学」(レスキュー・アーケオロジー、日本でいう工事に伴う緊急発掘調査を指す)の発展が重要となった。


2009年06月04日

戦間期にこの芸術運動を指導した主要な

新古典主義音楽は、戦間期にこの芸術運動を指導した主要な作曲家が、第二次世界大戦後に転向したり沈黙したりすることにより、人材を失って衰えていった。ラヴェルとレスピーギは戦時中に物故し、コープランドは戦後に十二音技法を取り入れながら寡作に転じた。イーゴリ・ストラヴィンスキーとエリオット・カーターはより急進的な作風に転じ、後者は「複雑系の音楽」の開祖となった。1945年にはバルトークも亡くなった。ヒンデミットは室内楽において表現主義音楽に、一方で一連の交響曲において新ロマン主義に接近している。フランス六人組の作曲家はなお健在だったが、ヨーロッパの楽壇を席巻しつつあった前衛音楽を前に、すでに時代遅れと見做されるようになっていた。またロドリーゴやフランセのように、あまりに通俗的な音楽語法をとった場合は、ワンパターンと見なされ、評価されないこともしばしばだった。戦後はすでにダルムシュタット夏季現代音楽講習会を中心に新しい音楽が議論されるようになり、十二音技法以前の作曲家はすでに過去のものと断じられていた。
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こうして新古典主義音楽は前衛音楽の陰に隠れ、芸術運動としての終焉を迎えるとともに、個人の手で細々と受け継がれるに過ぎなくなった。その主たる担い手は、ヒンデミットの弟子であったジークフリート・ボリスとハラルド・ゲンツマーであった。

諸井誠は新進作曲家として世界的にデビューしたときは、調的でヒンデミットを模範とする新古典的な作風をとっていた。おそらくこれは、父三郎の影響であろう。矢代秋雄は留学中に作曲した《弦楽四重奏曲》について、「ヒンデミットやバルトークを研究し、その影響が表れている」と述べている。

2009年05月01日

フアン・ディアス・デ・ソリス

フアン・ディアス・デ・ソリス(Juan Díaz de Solís, 1470年 - 1516年)はスペインの探検家、コンキスタドール。ラプラタ川周辺を最初に訪れたヨーロッパ人の内の一人である。

ポルトガル人のジョアン・ディアス・デ・ソリスとして生まれた。1504年にはっきりとしない理由でスペインに逃亡するまで、ポルトガルで航海士としての訓練を受けた。その後、1506年にユカタン半島を、1508年にブラジルを探検し、1512年にはアメリゴ・ヴェスプッチの後を継いで主要な水先案内人となるなど、スペインの探検者として活躍した。

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1516年1月20日、ブラジル沖を南下してきたディアス・デ・ソリスは現在のプンタ・デル・エステの近くに上陸する。ディアス・デ・ソリスはインディオが銀の装飾具を身につけているのを見て、そこに大量の銀があると誤解してこの巨大な川をラプラタ川(La Plata, 銀)と名づけた。しばらくこの誤解は続き、パラグアイに銀の山があるとの勘違いは、1536年に軍事拠点としてブエノスアイレス市を建設させることになった。

ディアス・デ・ソリスは当初チャルーア族から暖かく迎えられ、贈り物として銀を受け取った。しかし、逆にディアス・デ・ソリスはチャルーア族に服従するよう要求し、航海で不足してきた食料を持ってくるように命令した。チャルーア族はこの命令を断り、4年後に再び訪れてきたディアス・デ・ソリスの一団を猛攻撃した。ディアス・デ・ソリスは戦死し、食人文化のあったチャルーア族に食べられた。なお、ディアス・デ・ソリスと争いを起こしたのはチャルーア族ではなくグアラニー族だとする異説もある。

ウルグアイのモンテビデオにはフアン・ディアス・デ・ソリス劇場がある。

2009年04月16日

ツンドラ

ツンドラ (ロシア語:тундра tundra, 英語:tundra) とは、地下に一年中溶けることのない永久凍土が広がる降水量の少ない地域のことである。タンドラとも呼ばれる。

主にロシアのシベリア北部地方など北極海沿岸の寒帯地域に見られる。永久凍土といっても短い夏には表面付近の土壌が溶け、コケ植物、地衣類や草本類、灌木などが生育するところもある。

近年、地球温暖化の影響により、面積が縮小傾向にあるという調査報告も出ている。

寒帯で唯一、人間が居住できる地域であり、トナカイの遊牧(チェコト族など)・狩猟・海洋漁業・鉱業が営まれている。

自然地理学上、ツンドラは、低温で植物の生長可能期間が短いため樹木が生長できない地域を指す。ツンドラという言葉は、木のない平原を意味するサーミ語(およびそこからロシア語に取り入れられた単語)に由来する。ツンドラには、南極ツンドラ、北極ツンドラ、高山ツンドラの3種類があり、いずれにおいても主たる植生は草本類、蘚類、地衣類である。

ツンドラには木が生えているところもあり、ツンドラと森林地帯との間の移行帯(生態上の境界地帯)は樹木限界線と呼ばれる。

北極ツンドラ
北極ツンドラは、北半球極北のタイガ地帯の北に位置する。通常、ツンドラという用語は、地下土壌が融けることのない氷を含む永久凍土である地域だけを指す(北部ラップランドを含め、木が生えない地域を一般的にツンドラと言う場合もある)。永久凍土ツンドラ地帯は、ロシアおよびカナダ北部の広大な地域を含んでいる。北極ツンドラには、凍土地帯のヌガナサン人、ネネツ人(およびラップランドのサーミ人)など、トナカイの放牧を営む遊牧民族が居住している。

ツンドラの生物多様性は低い。生物の種類は少ないが、それぞれの種毎の個体数は多い。北極ツンドラ地帯の主な生物は、カリブー(トナカイ)、ジャコウウシ、レミング、ホッキョクグマなどである。

一部の地域では石油やウラニウムなどの天然資源が豊富であるにもかかわらず、厳しい気候のために北極ツンドラ地帯の開発はほとんど行われていなかった。しかし、近年アラスカ、ロシアなどにおいては、ツンドラの世界に人間の手が入りつつある。

地球温暖化はツンドラにとって大きな脅威である。基本的に永久凍土は凍った湿地であり、夏には表面付近の氷だけが融ける。もし凍土が完全に溶けてしまったら生態系全体が壊滅してしまうだろうし、北極圏の生物たちは急激な変化に対応できないだろう。また、世界の土壌中の炭素の3分の1はタイガとツンドラに存在するが、永久凍土が溶けると土壌に吸収される炭素より放出される炭素のほうが多くなってしまう。この現象はアラスカで実際に観測されている。ツンドラは、1970年代には炭素の処理場の機能を果たしていたが、今日では炭素の供給源になっているのである。これは、温暖化の問題をさらに悪化させる要因になっている。

南極ツンドラ [編集]
南極ツンドラは、南極大陸、南ジョージア島・南サンドイッチ諸島、ケルゲレン諸島など、南極圏・亜南極圏の島々に位置する。南極大陸は、寒く乾燥しすぎているため植物の育成がほとんど不可能であり、大陸の大部分が氷原におおわれている。しかし、一部の地域、特に南極半島には岩石質の土壌が存在し、ツンドラを成立させている。この地域には、約250種の地衣類、100種の蘚類、25 - 30種の苔類、約700種の陸生・水生藻類が存在し、大陸の海岸周辺の凍っていない岩や土の部分に生息している。南極大陸で花をつける2種類の植物、南極ヘアグラス (Deschampsia antarctica) と南極ツメクサ (Colobanthus quitensis) は、南極半島の北部および西部に生息する。

北極ツンドラと違い、他の大陸から隔絶している南極ツンドラには、大型の哺乳動物がいない。アザラシ、ペンギン等の海鳥や海洋動物が海岸周辺に生息している。また、亜南極の島には、ネコ、ウサギなど、数種類の小動物が人間によって持ち込まれている。

南極大陸および南極圏の島々(南緯60度以南)の動植物は、南極条約によって保護されている。

高山ツンドラ [編集]
高山ツンドラは、標高が充分に高い場所であれば、緯度に関係なく世界中に存在する。高山ツンドラにも樹木がないのは他のツンドラと同じだが、高山ツンドラの土壌は、通常、永久凍土ではなく、一般的に永久凍土より水はけがよい。高山ツンドラは、標高が下がるにつれ、樹木限界線より下の森林地帯に移行していく。ツンドラと森林地帯の間の移行帯における低木林はクルムホルツと呼ばれている。

高山ツンドラに生息する主要な動物は、ミヤマオウム、マーモット、ロッキーヤギ、ナキウサギ(日本でも北海道の大雪山周辺に生息)などである。

ミング カメリア ハード ナーナ バスロフ バイザー シースルー ピンポン アール キンメイ おもいで モスク バゲージ きらめき ワシン ステージ ドンキ バージョ トンガ スノイズ 春が来た ガスマ オープン チルド シクラメ オーバ ケール バタリアン オカル イシュー トップ スタイ スロバキア ミドルエ ミニマム マキドイ フェイ 王様の楽園 ミラー フーズフー 時の風 リーバイ ゴユリ レイキャ ブラン フリップ ショット ホイール ガーデ アルフ


2009年04月01日

アロエ(蘭: Aloë)

アロエ(蘭: Aloë)はアロエ科アロエ属の多肉植物の総称。現在までに300種以上が知られている。日本ではキダチアロエとアロエベラ、アロエ・サポナリア、アロエ・不夜城の4種がよく栽培される。アロエ属全体としては原産地はアフリカ大陸南部、およびマダガスカルに集中している。古くはアロエの「ロエ」を漢字で音訳(当て字)した「蘆薈」の読みを変えた、「ろかい」と称した。

アロエ属の科は分類体系によって異なっており、アロエ科、ユリ科、ツルボラン科のいずれかとなる。

普通観賞用に栽培されるものはキダチアロエ(学名Aloe arborescens)という。「木立ち」の名の通り茎が伸びて立ち上がる。暖地では戸外でも育ち冬に赤橙色の花をつける。葉の外皮は苦味が強いが、葉内部のゼリー質はアロエベラと変わらず苦味はない。ワシントン条約によって輸出入は制限されている。

食用にはアロエベラ (A. vera) の外皮を剥いたゼリー質が使用されている。ほぼ全種がワシントン条約で保護されるアロエ属にあって唯一栽培種として例外措置されている。花は黄色で、葉は長く株の中心部の葉が成長し、外側の葉は成長に伴い枯死する。寒さには弱い。食用ではヨーグルトに入れるほか、日本では刺身などにされる。

世界で一番大きなアロエはバイネーシー (A. bainesii) 高さ18mにもなり、花穂は三叉に分岐、ピンクの花をつける。逆に、最小のものはアロエディスコイングシー (A. descoingsii) で最大でも数cmにしかならない。

生薬 [編集]
日本薬局方に基原植物として収載されているアロエは、アロエフェロックス (A. ferox、ケープアロエともいう)及び、これとアロエアフリカーナ (A. africana)、 またはアロエスピカータ (A. spicata) との雑種と定められている。これらの葉の汁を濃縮乾燥させたものが、日本薬局方でいう「アロエ」である。なお、キダチアロエ・ケープアロエ以外の観葉植物として出回っているほとんどのアロエには、薬効となる成分は含まれていないので、誤った使用をすべきではない。

キダチアロエは、昔から俗に「医者いらず」といわれてきたものであり、葉肉の内服で健胃効果があるとされ、また含有するバルバロインの下剤効果により便秘に効果がある。ただし、体質によっては胃炎を起こす場合があることや、継続摂取による大腸の色素沈着を起こすことがあることなども報告されている。また外用として傷や火傷に用いられる場合もあるが、逆に悪化させた例も報告されており、使用には一定の注意が必要である。なお、ドイツの薬用植物の評価委員会コミッションEによれば、ゲル状物質(葉の中央にある柔組織に存在する粘性の物質)の外用は、痛みや火傷の回復に対して有効性が示唆されている[1]。
プレシン スタン ガッツ ジャー ひのえま トーイ プールバ ジメチル ウイット ブチュ ディス ハピパラ ていてつ コチニー ハトムギ トライク 紅葉雪 スカラ はちのへ ストラ 熱帯雨林 ストーン テンス もみじが NETリブ 恋待月 サーチ 桜坂 チシェリー トートナビ フェノール ツルコ のへじ トレラ ルーセン つるみ デジカルビ ディパー オーナラ すぎごけ デルフ マニフェ デリン ようとう スエヒ レソト スイング リベート ハッピー ミリグラム

注意点 専門機関の研究によれば、子宮収縮作用が有るため、妊娠中の使用は避けるべきである[2]。また、長期間の多量摂取や12歳以下の小児の摂取、妊娠中・授乳中や月経時及び腸の病気の場合、摂取には注意が必要である[

2009年03月18日

ブナの原生林

ブナ(漢字は「橅(木に無)」)の木は従来、椎茸栽培以外にはあまり役に立たない木であったために伐採を免れたと言えるであろう。ブナは沢山の小さな実を付けるために、果樹と同様に寿命が短く、寿命は200年ほどであると言われている。自然に放置して倒れたブナは他の樹木や生物の生存に欠かせない栄養分を供給する。白神山地のブナの原生林は樹齢の若いもの、大木、老木、倒壊し朽ちたものまであらゆる世代が見られる。もちろんブナだけでなく、カツラ、ハリギリ、アサダなどの大木も見られる。
アールグ モントリ 健やか バリン 九重 スクレイピ ゲゼルシ マスター スキップ プール パッセ ジュエリー 螢火 スマイリー スイカズラ うごう ジャズマ クロッカス ほうてき あまつき ナチュラル シリコン シフト トート フコイ クリアム いたやなぎ テタニー シリンジ ゼロベ チェック ワット ハリス ザッテル レート ブッダガ プラザ ちょう ハーモ せみね チャット オカルテ タンパー ヒューストン ナルシ ドリアン トップ ストーリ イズド ジェンヌ

白神山地は、名勝地のような美しい高山植物や雄大な景色を眺められる場所はあまり多くはない。眺望が良い場所や高山植物が咲いている場所に行くためには、それなりに苦労をしなければならない。世界遺産の登録は、観光地であるからではなく、このような人為の影響をほとんど受けていない原生的地区が広大に広がっている場所が世界的に珍しいためである。

白神山地の中で特に眺望が良い場所は、白神山地に詳しい根深誠は順番に天狗岳、小岳、二ツ森、白神岳をあげている。

白神山地は現在でも少しずつ隆起している地形で地盤が弱く、崖崩れが多発している。そのため、林道をつくっても崖崩れのために不通になってしまう場所が多い。また、冬期間は半年も雪に覆われる。そのため、大規模な林道建設を行うことが難しく、結果的に原生林が残されることになった。

2009年03月02日

ロックマン8 メタルヒーローズ

ステージは、オープニングステージと4つの前半選択ステージ、中間ステージ(1ステージ)、4つの後半選択ステージ、ワイリーステージ(4ステージ)の計14ステージから構成されている。完全に前半と後半に分かれたステージ構成になっている。

アニメーション、キャラクターの声、さらにオープニング曲とエンディング曲が初めて導入された。SS版には隠しキャラが登場する。また、前作同様ネジを集めてパーツを作るシステムがあるが、入手できるネジの数が限られているため、どのアイテムを開発するかが鍵となる。

2から採用されたパスワードによるコンティニューが廃止され、シリーズ初のセーブ機能が搭載されてパスワードを入力する手間がなくなった。

宇宙から落下した謎の隕石を調査に向かったロックマン。しかし、そこにはワイリーがやって来ていた。巨大な力を秘めた悪のエネルギーを軸に、宇宙から落ちてきた謎のロボットのデューオとワイリーの野望をめぐる戦いが繰り広げられる。

DRN.001 ロックマン(Rockman)(声優:折笠愛)
DRN.002 ロール(Roll)(声優:小西寛子)
DRN.000 ブルース(Blues)(声優:置鮎龍太郎)
ライト博士(Dr. Right)(声優:飯塚昭三)
ライトット(Rightot)(声優:二又一成)
デューオ(Duo)(声優:小杉十郎太)
本作に先駆け、『ロックマン2・ザ・パワーファイターズ』で初登場した新キャラクター。中間ステージで戦うことになる。
SWN.001 フォルテ(Forte)(声優:檜山修之)
ワイリーステージ3でゴスペルと合体して戦うことになる。
Dr.ワイリー(Dr. Wily)(声優:青野武)

特殊武器有り
DWN.057 テングマン(Tenguman)(声優:長嶝高士)
元々は台風を人工的に作り出す実験用ロボット。かなりの自信家で、いつも皆を高い所から見下ろしていて見た目と同じく性格も天狗である。孤独を愛し、世間の柵が苦手。空気を読める能力がある。強力な竜巻を作り出す特殊武器「トルネードホールド」と、小型竜巻のカミカゼが武器。また、高速移動を生かした体当たりも強力。気象用実験ロボットなのに寒いのは嫌い。彼の居場所はマップでは日本にあたる。
トルネードホールド - 消費エネルギー(5/2)
小型の竜巻を起こす装置を発射する。ロックマン自身が竜巻の中に入ることで上昇する事ができる。敵を竜巻に触れさせることで攻撃も可能。
DWN.058 アストロマン(Astroman)(声優:二又一成)
異次元を使ってプラネタリウムを見せるためのロボットをDr.ワイリーが戦闘用に改造した。無重力装置で空中に浮かんでいる。恥ずかしがりやで、すぐどこかに隠れる。それを追跡されると怖がる。かくれんぼの世界チャンピオン。画面全体に隕石を降らせる特殊武器「アストロクラッシュ」と2つのビット(このビットからエネルギー弾を発射できる)が武器。但しアストロマンのアストロクラッシュは自分の真下に隙がある。イギリスにいる。流れ星を祈る。
アストロクラッシュ - 消費エネルギー(10)
画面全体に巨大な隕石群を降らす。発動中は無敵。エネルギー消費は大きいが、その威力、効果範囲は絶大。
DWN.059 ソードマン(Swordman)(声優:高木渉)
Dr.ワイリーが博物館から盗んできた大昔の剣を使いこなすために造り上げたロボット。鮮やかな切れ味と居合い切り、兜割りなどの剣技を持っている。しかし、剣が大きすぎて動きのバランスがとれないので、腰の辺りを切り離し上半身が浮いている。特殊武器「フレイムソード」は剣に炎を纏わせて敵を切り裂く。上半身を分離させての回転斬り「ファイヤースラッシュ」が得意技。また、自分の周りに強力なバリアを張り巡らせることもあるが、このときは移動しない。正々堂々とした勝負を好む。
デザインを募集されたボスの一体で上半身の浮遊、片腕が巨大な剣である事はすでに決定していた。
応募されたアイデアでは、「エインシェントマン」という名前で、武器は「ガーディアンブレード」と書かれていた。
フレイムソード - 消費エネルギー(5/4)
炎エネルギーを収束させて作り出した剣を振るう。射程は短いが、ロックマンの苦手とする接近戦ではその真価を発揮する。また、一部の地形に特別な効果を及ぼす。
DWN.060 クラウンマン(Clownman)(声優:坂本千夏)
ピエロ型のロボット。身体が小さく、身のこなしが軽い。異常に長い腕を持つが、その長い腕が災難を招く事も。空中ブランコが得意でスポーツ万能。その長い腕で体を回転させ、体当たりすることもある。敵に電流を流す長い腕「サンダークロー」が特殊武器。全身を電気エネルギーで包んではね回る、サンダーカーニバルも得意。性格は悪ガキそのもので、ロックマンを弱いと決め付け、馬鹿にしている。嫌いなものは数え切れないほど多い。
腕が長いボスとしてデザインが募集された。エンディングで見られるモデルであると思しきイラストはかなりリアル(死神のような仮面をつけている)。その時の名前は「ピエロマン」だった。
サンダークロー - 消費エネルギー(5/4)
高圧電流をロープ状に束ねて発射する。攻撃は中距離ほど進んだところでロックマンの手に返る。攻撃のほか、フックに引っ掛けることでぶら下がる事が可能。
DWN.061 サーチマン(Searchman)(声優:長嶝高士)
警備用監視ロボットを改造し、頭を二つにして広範囲を索敵対象としたロボット。二人が力を合わせて戦うことを想定していたらしいが、戦闘以外では仲が悪く、お互いを監視しあっている。どうやら上司と部下の関係であるらしい。追尾ミサイルである特殊武器「ホーミングスナイパー」を始めとして、様々なミサイルを装備している。大量のミサイルを乱射して弾幕を張る「デッドリーストーム」も強力。ほか、壁に反射して高速で飛びまわる棘付き円盤のようなものも放つことがある。
頭部が2つ有り、片腕が何らかの武器という形でデザイン募集された。採用時の名前は「バルカンマン」。
ホーミングスナイパー - 消費エネルギー(5/4)
敵を追跡する誘導ミサイルを発射する。チャージが可能であり、チャージ版はより多くのミサイルを一度に発射する。
DWN.062 フロストマン(Frostman)(声優:高木渉)
クラウンマンに使うはずの部品が予想以上に余ったため、使い回しをした結果巨大なボディになってしまったロボット。しかし、それでも本人は大きな体を自慢としているが、オイルの巡りが悪い。ロックマンを氷づけにして、カキ氷にして食べる事が夢らしい。氷砂糖が好物。地形に沿って波状に進む氷の刃「アイスウェーブ」が特殊武器。部屋の上部に多くの氷の塊があり、それを落下させたり飛ばして攻撃することもある。巨体に似合わず、ジャンプによる移動も得意だが、動きはあまり素早くはない。
応募時の名前は「イエティマン」。特殊能力は「ブリザードシールド」。体躯が巨大になった以外は、デザインはほとんどそのまま、採用となっている。
アイスウェーブ - 消費エネルギー(2/5)
地形に沿って進む氷の刃を放つ。敵によっては、当たった敵を凍りつかせて動きを封じられる。
DWN.063 グレネードマン(Grenademan)(声優:二又一成)
手榴弾型のロボット。大胆な行動の持ち主。破壊することに喜びを感じ、暇さえあれば何かを破壊している。相手が自分の爆弾で苦しむ姿を見るのも好きだが、逆に自分がやられても喜ぶ妙なロボット。攻撃用に強化された照明弾「フラッシュボム」が特殊武器。そのほか体当たりや3つの手榴弾を投げつけてくることもある。体力が少なくなると「クレイジーデストロイヤー」で床を爆破し、段差のある地形で戦うことになる。
応募時の名前は「エクスプロードマン」。特殊能力は「エクスプロードボム」。
フラッシュボム - 消費エネルギー(8/5)
十分な破壊力を備えた照明弾を撃つ。敵や地形に触れると小範囲に攻撃力を持つ爆風を起こす。爆風は長時間続く。照明弾なので暗いところでも重宝する。
DWN.064 アクアマン(Aquaman)(声優:坂本千夏)
元々は水道局で、水質管理などをしていたロボット。腹のタンクを利用して、水を操る。自称「水も滴るいい男」だが、水太りしている。下品で冗談好きな性格の持ち主。特殊水風船である特殊武器「ウォーターバルーン」や、高度水圧砲の「ウォーターキャノン」を放つ。大ジャンプの後、着地すると、部屋の下から水が噴き上がるなど、結構多彩な技を持つ。
応募時の名前は「バイオマン」だったが、超電子バイオマンとは無関係。特殊武器は「バイオリキッド」で、『金属を溶かし、コンピュータの内部に侵入して、機能を狂わせる効果のある酸液を貯えてある』、というアイデアだった。『液で自身が溶けない様に、と精密に造られたので、知能的なロボット』というバイオマンの性格は、アクアマンとは対照的であった。
ウォーターバルーン - 消費エネルギー(7/8)
特殊液の入った水風船弾を発射する。攻撃のほか、一部の仕掛けに効果を及ぼす事ができる。

特殊武器無し
隠しボス
いずれもサターン版のみに登場する。

DRN.003 カットマン(声優:?)
『ロックマン』からの復活ボスで、中間ステージの隠し部屋で戦うことになる。語尾に「チョキ」と付けて話す。
DWN.016 ウッドマン(声優:?)
『ロックマン2』からの復活ボスで、サーチマンステージの中間地点に現れて戦うこととなる。「どすこーい!」や「ごっちゃんです!」など、相撲取りのような言葉を話す。
また、リーフシールドが4枚から8枚に増えている。

その他
ヤドカルゴ
オープニングステージのボス。ワイリーが秘密基地の警備用に配置した戦闘メカ。長い間待機していたため、殻の部分には鳥の巣やコケがくっついている。
アテテミーノ
ワイリーステージ1のボス。ワイリー基地の入り口を守る、ミノムシ型ロボット。イタズラ好きな性格で、よく人間を驚かしている。
ブリキング
ワイリーステージ2のボス。ワイリーの全精力が注がれた、強力な戦闘機型ロボット。しかし緊急に出撃したため、塗装がされていない。シューティングシーンでの戦闘となる。
グリーンデビル
ワイリーステージ3のボス。イエローデビルの改良型。ボディは厚いゼリー状の物質で構成されており、目玉型のコアに埋め込まれたチップがそれを操る。ゼリー自体にも様々な攻撃プログラムが内蔵されており、分裂以外にも様々な形状に変化して襲い掛かる。
ワイリーマシーン8号
最終ステージのボス。基本に立ち返り、飛行船型として進化した、対ロックマン戦用兵器。登場時はダークキャノンを装備した第1形態で出現するが、それがデューオの犠牲で破壊されるため、戦闘は第2形態から始まる。口中に強力なレーザー砲を装備し、左右にはリング状のビーム兵器を搭載している。本体が破壊されても、脱出機能としてワイリーカプセルグレートが起動する。
ぺぱーみ メンメン ソング バンブ チミン シーザー キックサニ カエデ キンロバイ ナンバー マリンバ ディー ハードコア トース ジョーク タンブラ ナイアガ ラック セリン ブラック セルラ オルガ マスト ピタヤ ビンテー センシ ワサビ えんおう キセル ニューマ ふきのとう ブルーマ シェイ プランター 暮し百科 ザック エンド マート ニューロン ダーシズン 雪しぐれ ガボン ぴってろ ミケー デソ プデ レーナー レット ピーコック トレーサ

サポートアイテム
ロックボール - 最初から所持 - 消費エネルギー(2)
ライト博士お手製の武器。弾自体を敵にぶつけることで攻撃できる。蹴ったりドリブルをしたりして運ぶ事ができるほか、上から踏むことでハイジャンプをする事ができる。置いておくだけでも時限爆弾として使える。空中で出し、空中で踏む事を繰り返せば、空中連続ジャンプも可能。
ラッシュバイク - 特定の中ボスを倒す - 消費エネルギー(-)
ラッシュが変形するバイクに乗り、エネルギーが切れるまで高速で移動できる。乗っている間はダメージを受けず、ジャンプ力も倍増するが、3連射できるミサイルでしか攻撃できなくなり、敵に当たるとラッシュのエネルギーが大幅に減る。乗り降りは自由だが、その間もエネルギーは減り続ける。トゲの上は走れない。
ラッシュクエスチョン - 特定の中ボスを倒す - 消費エネルギー(-)
ラッシュを呼び出す。アイテム(エネルギー全回復の弥七もを含む)を持ってくることもあるが、砂嵐の映るホログラムを出す、その場で眠るなど無意味な行動をすることもある。
ラッシュボンバー - 特定の中ボスを倒す - 消費エネルギー(-)
ラッシュジェットが飛んできて、一定時間上空から爆弾を落として援護する。
ラッシュチャージャー - 特定の中ボスを倒す - 消費エネルギー(-)
ラッシュジェットが飛んできて、一定時間上空から回復アイテムをたくさん落とす。

2009年02月11日

因果応報の思想を生む

我々が体験する現象には必ず原因があるという考えを因果律と呼ぶ。この原理は早くから知られており、「現世における苦楽は前世の業によって決まる」とする因果応報の思想を生む。またドイツの哲学者「アルトゥル・ショーペンハウアー」によれば、我々が有する世界像は外部の事象を時間、空間、因果律の形に再構成することによって形成されるという。しかし因果律は目に見えないため、長らく科学の対象とはならなかった。
カニュ デルタ アルベド プロシ ドハウツー ドワイン ドッグカ プレート セレフ ちくせい ファック ろっか クロス ティア パズル データ バビロン ジョドパー ニヒリ ドライ スパーク イカット パプア セコイア 道のかなた あみん ロポリス ラバード トニク ヘリオト ドリーム ナビタフ フリクシ 星屑 イメチ 栗マロン テネシー マクラ トランサー ドルーズ ロボット ルーティン 美しい コロラド デイジー すうせい スパコン キンカン ぴーたん れんが

「事象科学」においては「事象素子」と呼ばれる粒子を仮定し、時間と空間に因果律を加えた世界像を構築する。本作の核となる時間旅行および並列世界に関する理論は、この「事象科学」を元に説明される。

リフレクター・デバイス(以下Rデバイス)とよばれる装置には、「超念石」の結晶である「宝玉」がはめ込まれている。「宝玉」に触れると「宝玉」は時間に対する慣性を失い、静止する(すなわち時間の流れから取り残される)。このためRデバイスの所有者と「宝玉」は離れ離れになるが、「事象素子」(虚数空間を走る光子。因果律の伝達を行う)の波がRデバイスによって放射されると「宝玉」は励起され、反射波を生じる。波動力学に従い、合成波の振幅(=事象密度の大きさ。事象の起こりやすさを表す)が最大になる部分を腹、最小になる部分を節と呼ぶ。腹は「現実において十分に起こりうる事象」であり、節は「現実には起こりにくい事象」である。後者より前者の状態が自然であるため、節から腹への移動は容易に起こりうる。「事象素子」の波をうまく制御しRデバイスを節、「宝玉」を腹とすればRデバイスの所有者は「宝玉」が静止している時間(過去)に移動することが可能になる。これを「事象の飛び移り座屈」(スナップスルー)という。「宝玉」が未来、もしくは別次元の世界に静止している場合も同様である。

時は可逆、歴史は不可逆
時間旅行に関するパラドクスは数多く存在する。例えば時間をさかのぼって過去へ行き、自分を産む前の両親を殺害すると自分は歴史から消えてしまうに違いない。これにより、両親が命を落とすことになる原因も同時に消滅する。歴史を俯瞰(ふかん)すると、この世に存在しない者が両親を殺したことになる。論理的には起こり得ない現象である。従って、時間旅行は空想の産物に過ぎないと言われることがある。

本作においては「時は可逆、歴史は不可逆」という概念を用い、この問題を解消する。両親を殺すためRデバイスを使って時間をさかのぼり、両親が出会うことになる場所へ向かったとする。本来なら、この場に自分は存在しないはずである。これは歴史の改変を意味するのだろうか? 否、歴史は不可逆、すなわち変えられないのだから自分がたどり着いた過去は、元々の過去とは異なる。時間をさかのぼることによって、「両親の出会いに自分が立ち会う」世界が生成される。元の世界とは似て非なるパラレル・ワールドである。並行(平行)世界とも言うが、「事象科学」では「並列世界」と呼び習わす。「並列世界」の「並列世界」が生成されることも、無論ありうる。

流体の状態には、層流と乱流がある。前者は不規則な変動を含まない流れであり、後者は流速や圧力が不規則に変化する流れである。因果律の層流とは先の基礎方程式に従い、因果律がスムーズに伝達される状態をいう。しかし因果律エネルギーが外界から層流に供給され、因果律の伝達速度と事象粘性の比がある値を超えると不安定な状態になり、因果律の渦が形成される。これが乱流である。

層流の場合、因果律は一方向にのみ流れる。対して乱流の場合は事象Aが事象Bを生み、事象Bが再び事象Aを生むといったことが起こり得る。因果律の渦は周囲にエネルギーを渡しながら運動を続けるため、外部からのエネルギー供給が途絶えると層流に戻る。

系が完全に閉じられており、因果律が外部の系に流出しない(また、外部の系から流入しない)世界をディリクレ世界という。逆に、これらが起こりうる世界をノイマン世界と呼ぶ。ノイマン世界においては内部の因果律と外部の因果律が衝突するため、因果律の破綻が生じる。他方、ディリクレ世界の因果律が破綻することは通常ならありえないが並列世界との干渉が起こると、ノイマン世界となる。我々の常識に反する現象(超常現象)が時おり現実のものとなるのは、このためである。

ノイマン世界は、ディリクレ世界の内部にも存在する。国家や文明をひとつの系と見なせば、異文化の流入は因果律の破綻を意味する。極東の島国であった日本(ディリクレ世界)は黒船の来航、文明開化などによりノイマン世界になったと解釈される。

スイスの心理学者・ユングが提唱した共時性(心に思い浮かべた風景と外部の事象が、なんらかの働きによって一致する現象)と呼ばれる概念も、個体をノイマン世界と見なすことで説明が可能になる。一般には単なる偶然とされるが、外部から流入した因果律が本人の意識に影響を与えたとすれば心の風景と外部の事象が一致してもおかしくはない。虫の知らせも同様である。またユングの師であるフロイトは、抑圧された意識が無意識を形成すると考えた。無意識は夢などの形を取って本人の意識に現れるが、無意識から自我に向かって因果律が流れていると仮定すると自我もやはりノイマン世界となる。因果律の流入は大抵の場合、意識では捕らえられないため本人は共時性や虫の知らせを不思議がることになる。

Rデバイスは「事象密度」を調整することにより、ノイマン世界の境界を超える(外部の系に移動する)ことを可能にする装置であると言える。

我々が暮らす世界は様々な可能性をふくんでいるため、時おり複数の世界に分裂する。分裂の元になる世界を「原世界」、分裂により生じた世界を「従属世界」と言う。並列世界とは、「原世界」から見た「従属世界」のことである。従って上図の場合は、世界B,C,Dが世界Aの並列世界にあたる。B,C,Dの差異は微々たる物だが分裂を重ねるたびにそれは広がり、ついには似ても似つかない世界になる。

Rデバイスを使い、同じ層に存在する別の世界に移動するとなにが起こるのだろうか。別の世界にも「自分」は存在するのだから、ふたりの「自分」がひとつの世界に並び立つことが予想される。しかしこれは誤りである。b層を例にとって説明すると、世界Bの「自分」がCに移動するとCの「自分」はDに押し出される。質量保存の法則が働いた結果である。これによりDの「自分」もBへの移行を余儀なくされる。「自分」と「自分」の鉢合わせは起こり得ないわけである。

下層(従属世界)から上層(原世界)に移動する場合はどうだろうか。従属世界B,C,Dの因果律は基本的にそれぞれ独立しているが、ひとつの世界で原世界Aへの移動が起こると他の世界でも同様の現象が生じる。このため、b層の従属世界はすべて消滅する。上層から下層への移動は、従属世界を形成することによってなされる。

従属世界の形成・消滅エネルギーEは拡張アインシュタイン則(6)から導かれる。

m:従属世界の数 Mj:次元等価質量 ρj:事象密度
Φj:事象ポテンシャル(起こりうる事象の数を表す) Hj:次元の保有空間
tj:次元の保有時間 Cj:因果律エネルギー

カオスの矯正
事象移動により持ち越せるモノ(物体に限らず)が世界の許容範囲を逸脱した場合、それは世界から「矯正」を受ける対象となる。例えば主人公は、チャートの終端地点にたどり着いた際に「カオスの矯正」として強制的に始端地点まで飛ばされてしまう。これは異端分子の知識・モノを持つ主人公がより長い時間を過ごすにつれ、主人公の可能性存在が増える=可能性世界の増殖速度が指数関数的に増大する為である。

また、「カオスの矯正」を受けた主人公は事象移動前の記憶を殆ど忘れてしまう。これは別事象での記憶を失う事で、ある程度反復した行動を対象者に半ば強制する事を意味する。つまりRデバイスを所持する主人公の無数の可能性存在が各事象に跋扈する事で可能性世界が無限に増殖する、そのような事態を世界が未然に食い止めている。もっと具体的に言うと、主人公の行動パターンがカオス領域に発散せず一定の周期軌道内に収まる事を実現していると言える。つまり、事象移動者の行動パターンが一定の周期軌道内に収まるという事は可能性世界の増加に頭打ちが来るという事である。YU-NOのチャート分岐が定められた数しか無いのも、これにより説明出来る。

ブリンダーの木
事象的介入により可能性世界が爆発的に誕生してゆく様をその時間発展の様子からツリー構造に見立て、その全体を「ブリンダーの木」と呼ぶ。つまり「ブリンダーの木」を(時間的に)さかのぼると、あらゆる事象の根源すなわち宇宙の始まりにたどり着く事になる。

ちなみに、ブリンダーの木はゲーム中に示される分岐チャートとは異なるとする意見が多勢である。もし分岐チャートが「時は可逆、歴史は不可逆」というYU-NOの根底理念に基づいている(=ブリンダーの木)ならば、主人公がRデバイスを使った時点で分岐チャートは別の可能性世界における分岐チャートとして、その全体が様変わりする必要があるからである。これについては、恐らくRデバイスが行っている時間跳躍は「歴史も可逆」を実現するような特殊なものであろうと解する意見がある。

開発の経緯
オートマッピング
本作の目玉であるA.D.M.Sはマルチシナリオと呼ばれる手法に様々な工夫を加えることで成立した。A.D.M.Sに対する理解を深めるため、まずはマルチシナリオの特徴から見ていこう。

この手法は、『弟切草』(チュンソフト)のヒットを契機にゲーム業界に定着した。完全に独立した複数の物語をひとつの作品に収めるオムニバスと違い、主人公の行動や選択により物語が枝分かれしてゆくところに特徴がある。枝分かれの様子を図にしたものを、分岐チャートと呼ぶ。シナリオの分岐が複雑を極める場合はチャートを作成しながらゲームを進めることになるが、これは大変わずらわしい作業である。

本作品の企画・脚本・ゲームデザイン・総合プロデュースを担当した菅野(当時のペンネームは剣乃ゆきひろ)は上述の問題を解決するため、ダンジョンRPGのオートマッピングをマルチシナリオ型AVGに適用することを考えた。オートマッピングとは、ダンジョンの地図を自動的に作成してゆく機能である。主人公の現在地を確認したり、ダンジョンの全体像を把握するのに役立つ。オートマッピングは今でこそダンジョンRPGの常識だが、古くは遊び手が方眼紙にマップを描いていた。PC-8001の時代からパソコンゲームを愛好する菅野は、こういった手間もゲームの醍醐味のひとつだったと語る。分岐チャートの作成についても同様のことが言える。しかしゲームの進化に伴ない手間を楽しむ感性は過去のものとなり、より便利なシステムが求められることになった。菅野は先述したマルチシナリオの問題点がいつになっても解決されないことに歯がゆさを感じ、分岐チャートを自動的に作成する機能を考案する。このシステムは「Auto Diverge Mapping System」(オート分岐マッピング・システム)の頭文字を取り、A.D.M.S(アダムス)と名付けられた。

神の視点
A.D.M.Sは過去に例を見ない斬新なシステムでありマルチシナリオを採用することがなかば常識となったAVGの世界に変革をもたらす可能性を秘めていたが、菅野の脳裏にはある疑念が浮かんでいた。主人公の行動によってシナリオが分岐することを知っているのは、ゲームの物語を「外」から眺める遊び手のみである。ゆえに、主人公が分岐チャートを描くことはありえない。分岐チャートを作成し、遊び手に提示する役目を負うのは誰なのか。

同様の問題は、RPGの世界にも存在する。RPGは「Role-Playing Game」の略であり、「役割を演じる遊び」と訳される。遊び手は主人公になりきってゲームの世界を旅することになるはずだが、この建前は必ずしも守られていない。多くのRPGに導入されている「経験値」を例にとって説明しよう。戦闘を重ねるたびに蓄積される経験値は、RPGの柱とも言えるシステムである。従って、遊び手は主人公の経験値を確認しながらゲームを進めることになる。主人公が記録しているわけでもないこの数値を、遊び手が知っているのはなぜか。菅野の言葉を借りるならば、「神の視点」でゲームの世界を眺めているからである。

A.D.M.Sの導入によりマルチシナリオ型AVGの攻略は容易になろうが、主人公のあずかり知らないところで分岐チャートの作成を行うと遊び手に「神の視点」が生じ、主人公と遊び手の意識が乖離することになる。YU-NOの製作を「真のロールプレイングへの挑戦」と位置付ける菅野にとって、これは深刻な問題だった。

並列世界
「神の視点」を解消するには、主人公にも分岐チャートを見せる必要がある。現実の世界に生きる我々は通常、過去から未来に至る道は1本しかないと考えている。それはゲームの主人公も同様なのだから、主人公が分岐チャートの存在を知ることは極めて不自然である。菅野はこの問題を解決するため、並列世界(パラレルワールド)の導入に踏み切った。主人公が暮らす世界の周囲には別の世界が無数に並列しており、別の世界への移動はシナリオの分岐に相当すると考えることにしたのである。この場合、分岐チャートの視覚化は並列世界の視覚化と同義であり決して不自然なことではない。分岐チャート(並列世界の構造)を自動的に描く「装置」を持った主人公は、ある目的を果たすため、この「装置」を頼りに並列世界を渡り歩いてゆく。分岐チャートはもちろん遊び手にも提示される。主人公と遊び手の一体化(真のロールプレイング)である。

転機
A.D.M.Sは当初、シーズウェアのAVG『XENON』(1994年)に搭載される予定だった。しかし、同社は一作の開発に長くても4ヶ月しか時間を割かない方針をとっていた。企画、シナリオ、スクリプト、プログラミングをひとりですべてこなす菅野に、オートマッピングの実装を果たす余裕は存在せず、採用は見送られた。

菅野は『EVE burst error』(1995年)の開発を終えると、1996年にアダルトゲーム業界の老舗と称されるエルフに移籍する。同社は優れた開発力を有しており、8ヶ月もの時間と専任のプログラマを菅野に与えた。シーズウェアに在籍していた時には実現が不可能だった先の構想が、ようやく陽の目を見ることになった。PC-98版YU-NOの開発は、こうして始まったのである。

本編の内容は現代編と異世界編に分けられる。無数に並列する現代の日本を渡り歩き「宝玉」と呼ばれるアイテムをすべて集めると、物語の舞台は古代の西洋を連想させる異次元の世界に移る。ゲームデザインとシナリオに専念することが可能な環境を手に入れ、開発に意欲を燃やす菅野は現代編(標準的なプレイ時間は30?40時間)を「大いなる序章」、異世界編を本編と位置付けていた。しかし、開発の遅れから現代編が本編となる。当初の構想は7割ほどしか実現しなかったという。このためか、現代編と異世界編は非常に対照的な作りになっている。前者がA.D.M.Sとアイコンクリック(詳細はシステムの項を参照)を採用しているのに対し後者はシナリオの分岐を持たない上、コマンドを選択することでゲームを進める形式をとっている。

菅野は1997年、アーベルを設立するが、この時同社のWEBサイトにおいて「YU-NOは自分の中で駄作だったが、市場のポジティブな評価を知って自信を取り戻した」という趣旨の発言をしている。開発中は、異世界編が従来のAVGとなんら変わらない内容になったことに失望していたのだろう。

2009年01月26日

新世紀GPXサイバーフォーミュラ

『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』(フューチャーグランプリ サイバーフォーミュラ、Future GPX Cyber Formula)は、架空のモータースポーツを描いたサンライズ製作のアニメおよび小説、ゲームなどの作品。

TVシリーズは2015年、続編のOVA『11』から『SAGA』までは2016年 - 2020年を舞台に、風見ハヤトを主人公とし第10回 - 第15回サイバーフォーミュラ (CF) ワールドグランプリ参戦チームの1つスゴウアスラーダ(スゴウグランプリ・スゴウウィナーズ)の視点から主に描く。

OVA『SIN』は2022年の第17回CFワールドグランプリを舞台に、ブリード加賀(加賀城太郎)を主人公とし、サーキットの若き帝王と呼ばれるようになった本編の主人公風見ハヤトとの壮絶な死闘を描く。

人気
TVシリーズは低視聴率と関連玩具の売り上げ不振に苦しみ、本来は4クールで全50話程度を1年かけ放送する予定だったところ、スポンサーである玩具メーカータカラが降板したため、結果的にほぼ3クール(9ヶ月)の放送、全37話で打ち切りとなった。
きたみびお 浮草ぐらし ウェッジ ビーピー ツベル タイマー ビヤマハギ フロマ シケイン フリーラジ マスタ わかくさ ハイネッ パラ プロテス ロンネット ソリテー マンス スライド バヌア マート びばい フレアスカ ドトイ ラッシュ ライム ワインバ ナポリタン インゴット リッピン ウェル バター ドグマ とうりゅう スロット モラリ トレジャ フラッシ ヒマワ チャロ ムック テスト パネラー ダース サイト ジャッジ エタイ マッピング 露の契 フェージュ

TVシリーズは商業的には失敗したが、内容自体の評価が低かったわけでは決してなく、読者投票による1991年度の第14回アニメージュ・アニメグランプリでは、『ふしぎの海のナディア』など同じ年の他作品をおさえ、作品賞ほかを受賞するなど、多くのファンを獲得することに成功しており、翌1992年にはOVAとして新作『新世紀GPXサイバーフォーミュラ11(ダブルワン)』が発表され、以後、2000年の『新世紀GPXサイバーフォーミュラSIN』完結にいたるまで実に10年間に渡って、新作シリーズが1年も途切れることなくリリースされ続けた。

制作がガンダムシリーズを作ったサンライズであり、『ZERO』以降はあたかもガンダムシリーズのニュータイプのような「ゼロの領域」が登場した(『ZERO』以降の監督脚本をした福田夫妻はのちに『ガンダムSEED』を作ることになった)。

シリーズ継続期間の長さとしては、サンライズ作品の中ではガンダムシリーズに次ぐ長寿作品であり、その間に主要な登場人物がほぼ全く変更されなかったという点ですでに稀有だが、なおかつ既存の漫画や小説に原作を持たずに10年もの期間続いた長寿シリーズでもあり、1話当たりの製作期間の長いOVAがその期間の大部分を占めるとはいえ、アニメ作品全般の中でみても極めて稀な存在となっている。

OVAシリーズを含め作品の展開はDVD登場以前のVHSビデオとLDが映像ソフト市場を形成していた時期だったが、通常LD版のほうが売れ行きの良いアニメ市場においてVHS版の売れ行きがLD以上に良かったという。これはメインのファン層が女性であり、この当時女性のアニメファンが所有するAV機器はVHSデッキのみであることが多かったという事情によるものである(LDは再生しか行えない上にディスクの大きさの関係でハードも大振りになってしまう関係から、劣化しない映像と高い保存性にこだわる映像マニアやアニメマニアのみが所有するハードであった)。

シリーズ作品

TVシリーズ
新世紀GPXサイバーフォーミュラ(全37話、日本テレビ系)(1991年3月15日 - 1991年12月20日放送)
CFワールドグランプリ第10回大会(2015年)

OVAシリーズ
新世紀GPXサイバーフォーミュラ11(ダブルワン)(全6話)(1992年11月 - 1993年6月発売)
CFワールドグランプリ第11回大会(2016年)
新世紀GPXサイバーフォーミュラZERO(全8話)(1994年4月 - 1995年2月発売)
CFワールドグランプリ第12回・13回大会(2017年 - 2018年)
新世紀GPXサイバーフォーミュラEARLYDAYS RENEWAL(全2話)(1996年4月 - 6月発売)
2015年(総集編)
新世紀GPXサイバーフォーミュラSAGA(全8話)(1996年8月 - 1997年7月発売)
CFワールドグランプリ第14回・15回大会(2019年 - 2020年)
新世紀GPXサイバーフォーミュラSIN(全5話)(1998年12月 - 2000年3月発売)
CFワールドグランプリ第16回・17回大会(2021年 - 2022年)
続きとして、『SIN』のDVD版で最終話にエンディングが追加され、その中で2023年の第18回大会の情景がわずかに描かれている。

ゲーム版による続き
非公式なものではあるが、プレイステーション2用ゲーム『新世紀GPXサイバーフォーミュラ ROAD TO THE INFINITY 2』では第17・18回大会が、『新世紀GPXサイバーフォーミュラ ROAD TO THE INFINITY 3』では第19回大会が、それぞれプレイできるようになっている。これらのゲームの製作にあたっては本編の制作スタッフも協力しているが、発売元であるサンライズインタラクティブとしては、あくまで「非公式な続編」というスタンスを取っている。

あらすじ
水素エンジンや常温超伝導モーターなどの無公害エンジンとナビゲーション用人工知能を搭載した車による、F1とは別カテゴリーの自動車レース「サイバーフォーミュラ」が人気を集めている近未来、父が開発したサイバーフォーミュラマシン「アスラーダ」に偶発的に操縦者として登録されてしまった主人公風見ハヤトはサイバーフォーミュラに参戦し、挫折と勝利を繰り返しながら成長していく。

ドライバー
()は声優、〔〕は所属チーム。数字はそのチームに所属した年度

風見ハヤト(かざみ -)(金丸淳一)〔スゴウアスラーダ 2015-17→ スゴウウィナーズ 2018-19→ スゴウグランプリ 2020-21→ スゴウGIOグランプリ 2022-〕
偶然アスラーダのドライバーとして登録されグランプリに参戦(TVシリーズ)、2015年開催の第10回世界選手権の第5戦で初優勝を飾り、数々の苦難を乗り越え初年度から総合優勝を飾る。翌年(『11』)も総合優勝を果たし、ダブルワンチャンピオンとなる。2017年序盤(『ZERO』冒頭)に「ゼロの領域」に足を踏み入れランドルと大クラッシュし重傷を負い、一時引退するも復帰。加賀との死闘を経て「ゼロの領域」を克服する。2020年(『SAGA』)には「アルザード事件」を乗り越え、4年ぶり3度目の総合優勝。2022年(『SIN』)には「サーキットの若き帝王」と呼ばれるほどのトップドライバーとなる。
TVシリーズから『11』までは明るく活発な少年だったが、『ZERO』での大怪我を乗り越えた頃から徐々に落ち着いた性格へと成長していく。ただしレースに対しては熱く負けず嫌いな性格で、成績が低迷すると周囲に当たるなど多少自分勝手な面もあった。『SIN』ではそれも乗り越え、心身共に大人へと成長している。CDドラマなどでは天然ボケが目立つ。恋愛に関してはあすか以外には無関心で、篠原めぐみとアンリが交際していると勘違いするなど疎い。『SIN』のラストであすかと結婚した。
第10回GPX1位(43P)、第11回GPX1位(46P)、第12回GPX3位(40P)、第13回GPX4位(37P)、第14回GPX2位(54P)、第15回GPX1位(64P)、第16回GPX1位(76P)、第17回GPX2位(70P)。総合優勝4回、通算80戦34勝、430ポイント(2022年まで)。勝ち星が飛びぬけて多く、勝率が4割を超えている傑出したドライバーであることがわかる。総合優勝を複数回達成しているドライバーは風見の他、設定上ジョン・クリーブとピタリア・ロペ(各2回)のみで、この点でも風見の総合優勝4回という記録はずば抜けている。
菅生修(すごう おさむ)/ ナイト・シューマッハ(速水奨)〔ユニオンセイバー 2015→ アオイZIPフォーミュラ 2016→ スゴウグランプリ(監督)2017-〕
元はミッシングリンクのF1ドライバーだったが、素性を隠しサイバーフォーミュラに参戦。デビュー戦となった2015年の開幕戦で優勝を飾り、第2戦も2位に着け、一躍チャンピオン候補となるが、第3戦と第4戦の間に負傷し離脱。F1に復帰するも、この負傷が原因で視神経に異常を来たしていたことを知る。自身にレーサーとしての余命が少ないことを悟り、ハヤトにレーサーとしての厳しさを教えるため、2016年(『11』)の第5戦からサイバーフォーミュラに復帰。シーズン途中からの参戦であるにも関わらず、瞬く間に勝利を重ねチャンピオン争いに加わる。最終話では視神経の限界のためレース終盤から目を瞑ったまま、サイバーシステムの音声ガイドのみを頼りに走るという離れ業を見せ、最終コーナーまでトップを争いつつ完走を果たした。
レーサーとして数々の実績を残しており、相当な自信家。『11』でシューマッハとして再登場した際は、高飛車な挑発で度々ハヤトを激昂させた。レーサーとしての技術は相当のものであり、正攻法はもちろん、ランドルに対する予選の妨害やスタートでのフェイントなどダーティーな一面も見せ、ハヤトが真のレーサーになるための超えるべき存在としてあらゆる手を見せた。『11』の2016年最終戦を終えるとそのまま引退し、『ZERO』においてはスゴウチームの監督となる。『SAGA』で視神経の手術を受け、監督を兼務したままテストドライバーとしてサーキットを走るまで回復、ガーラントのテストもこなしていた。
カセット・CDドラマではタイミングのいい電話や説教癖をネタにされていた。シューマッハ時代のサングラス(にあやかったもの)は、『ZERO』以降もユニオンから偽名で参戦した選手が着用する(ただし正体を隠す役には立っていない)などの形でたびたび登場する。
名前の由来はミハエル・シューマッハ。まだ頭角を表す前のシューマッハの名前を採用したものだが、当人のF1デビューは本作スタッフの予想以上に早かったという。TVシリーズ終盤では、放送当時のミハエル・シューマッハの所属チームであるベネトンにいる描写がある。
サイバーフォーミュラに参戦したのは9戦のみだが通算5勝し、風見ハヤトすら上回る勝率を誇る。デビュー戦での優勝は、他にランドル、フリッツしかない(2位も日吉と加賀のみ)。怪我がなければ優勝候補の1番手になれた実力者。
新条直輝(しんじょう なおき)(緑川光)〔アオイフォーミュラ 2015-19→ ユニオンセイバー 2020-22→ アオイZIPフォーミュラ 2023-〕
風見と同じくTVシリーズ第10回選手権でデビューし、初優勝は第4戦と風見より早かった。当初は葵今日子といつも一緒で嫌味ばかり言っていたが、第7戦にその葵今日子によりBチームに落とされてからは性格が一変。努力家で浮き沈みが激しく、「新条=苦難、不幸」が定番となった。その度にミキや加賀に叱咤されて立ち直っていたが、2020年の第15回選手権開幕前(『SAGA』序盤)にアオイチームの新オーナーとして現れた名雲によりチームを解雇された際には、自分1人で立ち直って修行のためにアメリカへ渡って行った。その第15回選手権の第11戦でユニオンより復帰し、名雲が持ち込んだアルザードを下して復帰戦を見事優勝で飾り、以後は表彰台の常連となる。
アオイの中でもエリートとしてサイバーフォーミュラに参戦したため、当初は風見のことを見下していたが、風見が凄まじいスピードでトップドライバーとして上り詰めていく一方で、新条は努力しても結果が出ず、落ち込んでは周囲の人間に慰めてもらい立ち直り、しかし結果は出ず…と心の弱さが大成を阻んでいた。しかし『SAGA』でアオイを解雇されて渡米し、レースの本場を経験することで精神的に大きく成長。『SAGA』終盤でのサイバーフォーミュラ復帰後は常に優勝争いに加わり、風見の強力なライバルとなる。
スゴウのチーフメカニックだった城之内みきとは、シリーズを重ねるにつれて公私共に欠かせないパートナーとなる。実家が茶道の家元であるため茶道の経験もあり、冬はちゃんちゃんこを愛用。
あだ名の変遷が激しく天才→地味な天才、若武者→落ち武者(アンリ曰く)と落ちていった。ワールドチャンピオン経験者であり他の年も結果はある程度の結果は残しているがイマイチ目立たない。新条の一番の不幸は風見、加賀、ランドルと同じ年にデビューしたということだろう。
第10回GPX2位(41P)、第11回GPX2位(45P)、第12回GPX1位(68P)、第13回GPX5位(35P)、第14回GPX5位(36P)、第15回GPX8位(14P)、第16回GPX3位(54P)、第17回GPX4位(35P)。総合優勝1回、通算82戦11勝、328ポイント(2022年まで)。デビューからの3年は総合2位、2位、1位と風見に次ぐ成績と言える。チームメイトが加賀、シューマッハ、ランドルと速いドライバーばかりなのも目立たない原因。実際にチャンピオンタイトルをとった時のチームメイトはレンツだった。
加賀城太郎(かが じょうたろう)/ ブリード加賀(関俊彦)〔アオイZIPフォーミュラ 2015、2018-20、2022〕
逆立った原色の派手な髪が特徴。クラッシュレースではかなり有名なレーサーで、ハヤトとは少女誘拐事件で初めて出会う。その後は助っ人キャラ的な扱いであったが、2015年の第10回選手権・第7戦からサイバーフォーミュラに参戦。しがらみを嫌って同年最終戦で故意にリタイア、以後インディーに転進する。2年連続チャンピオンを獲得した後、2018年(『ZERO』)にサイバーフォーミュラに復帰し、初のシーズンフル参戦。ハヤトと「ゼロの領域」で戦い、終生のライバルとなる。2022年の第17回選手権(『SIN』)でハヤトと死闘を繰り広げ、それに打ち勝ちチャンピオンタイトルを獲得、引退する。
荒っぽいドライビングながら技術は高く、『11』ではスーパーアスラーダ01で走りながらハヤトのスーパーアスラーダ11を上回るタイムを出し、『ZERO』では新条の解雇がかかった1戦で新条のサポートに徹し、マシンをあの手この手で操り、上位マシンを軒並みリタイヤさせた。
飄々とした人懐っこい性格でハヤトの兄貴分の存在であり、加賀もハヤトのことを弟のように思っていたが、『ZERO』でハヤトが「ゼロの領域」に目覚め、それを克服したことで、ハヤトを良き友人であり、良きライバルとして見るようになる。TVシリーズの最初の頃は金にうるさい描写が多かったが、後にはそれほどでもなくなった。乱気流や埃を使ったダーティーなプレイもあった。照れ屋で女性に対しては割と奥手。
かつて加賀とともに「ゼロの領域」に踏み込んだ相沢英二とのクラッシュがトラウマとなっていたが振り切る。その相沢の息子の北斗との会話では復帰を示唆する内容も。
第10回GPX7位(16P)、第13回GPX2位(61P)、第14回GPX4位(43P)、第15回GPX4位(33P)、第17回GPX1位(72P)。総合優勝1回、通算40戦9勝、225ポイント(2022年まで)。見た目のドライビングスタイルとは裏腹に完走率が高いドライバーである。初めてフル参戦した2017年以降も2021年はアオイの出場停止があったため、フル参戦した年数は5年に留まる。2022年にも1戦欠場している。
カール・リヒター・フォン・ランドル / プリンス・ローゼンクロイツ(松岡洋子)〔ユニオンセイバー 2015- 2018のみローゼンクロイツでの出場〕
あらゆるスポーツ大会で優勝を総なめにしてきた天才児で、ハヤトと同じ14歳の最年少ドライバーとしてサイバーフォーミュラにデビューした。
2015年(TVシリーズ)の第10回選手権・第6戦からシューマッハの後釜として参戦、サイバーフォーミュラ史上初となるデビュー戦でのポールトゥーウィンを飾る。あすかに惚れ込み、ハヤトをライバル視したことがサイバーフォーミュラに参戦した動機で、あすかのキスを賭けてハヤトと勝負するなど当初はハヤトに対して挑発的であった。2016年(『11』)には開幕当初は選手権をリードしたものの、その後シューマッハの策略に度々はまってノーポイントレースを重ね、前年同様に最終戦までタイトル争いには加わったもののタイトルを逃している。2017年序盤(『ZERO』冒頭)にハヤトとクラッシュし引退するが、翌年の最終戦において偽名で復帰。以後、ユニオンのオーナー兼ドライバーとして参戦する。速いが爆発力に欠けるためチャンピオン経験はない。
家は由緒ある貴族でお坊ちゃまゆえの我侭もあるが、女性に対しては紳士。ミッドナイトレースで遭難していた新条とミキを助けるなど意外に友情にも厚い。ハヤトに対しても、TVシリーズの最終戦で認めて以後は、『11』や『SAGA』でハヤトが成績低迷で周囲に当たるたびに登場しては苦言を呈し、遠回しに励ましている。ランドル本人は『11』においてシューマッハに圧倒されたことでスランプに陥ったことがあるが、ハヤトやグレイスンの叱咤もあってそれを克服して以後は「挫折を経験したことのない天才」という弱点が消えるとともに、予選で1アタックのみ行うような以前の極端な不遜さも影を潜め、真摯にレースに取り組むようになった。
当初は言葉遣い、物腰、作法、どれをとってもお坊ちゃまで、レース中にピットインしてはティータイムを楽しむほどのマイペースぶりだったが、『SAGA』の頃になると言葉使いに粗野が目立ち、ピットインでのティータイムでは一気に飲み干しカップを放り投げて行くなど、少し乱雑な性格になり始めている。
第10回GPX3位(40P)、第11回GPX4位(42P)、第12回GPX6位(22P)、第13回GPX(Pなし)、第14回GPX3位(51P)、第15回GPX2位(62P)、第16回GPX2位(56P)、第17回GPX3位(37P)。総合最高位2位、通算78戦10勝、310ポイント(2022年まで)。その速さに比べ意外と勝ってない。ここぞというバトルに弱いという印象はぬぐえない。
ジャッキー・グーデリアン(島田敏)〔スタースタンピード 2012-15→ シュトロゼック・プロジェクト 2016→ シュトルムツェンダー 2017-〕
アメリカ出身のドライバーでワイルドな走りを得意とする。反面単独スピンもあり自滅も多い。2016年(『11』)にはライバルのハイネルの誘いに乗ってシュトロゼックに加入、2019年(『SAGA』冒頭)の第14回選手権で念願のチャンピオンタイトルを獲得する。
根っからの陽気。3枚目だがプレイボーイでいつも女性を連れているが、綾やルイザには敬遠されている。ハイネルとはよくケンカをするが、互いに信頼しているため深刻な事態にはならない。現役ドライバーの中でサイバーフォーミュラ参戦歴が最も長い。
トランクスは星条旗模様。実家はスーパーマーケットチェーンを経営しており、ポイントが貯まるとグーデリアンのサインが貰える(あまり評判は良くない)。
モデルはナイジェル・マンセル。
第7回GPX5位、第8回GPX5位、第9回GPX4位、第10回GPX6位(22P)、第11回GPX5位(33P)、第12回GPX2位(55P)、第13回GPX6位(34P)、第14回GPX1位(71P)、第15回GPX3位(51P)、第16回GPX5位(31P)、第17回GPX5位(31P)。総合優勝1回、通算111戦11勝、328ポイント(2022年まで、第10回以前の優勝数、ポイントは不明のため含まず)。百戦錬磨だがドライビング自体は昔と変化がない。以前はハイネルと、『SAGA』あたりからはランドルとよく絡んでリタイアする。
フランツ・ハイネル(置鮎龍太郎)〔所属不明 2011→ZIPレーシング 2012-14→ S・G・M 2015→ シュトロゼック・プロジェクト(監督兼マシンデザイナー → 兼ドライバー)2016-19→ シュトルムツェンダー 2020-21→ ドライバー引退、監督兼マシンデザイナーに専念 2022-〕
自ら設計したマシンで参戦し、後に自分のチームを結成するなど多才な面をみせる。「走る精密機械」の異名をとるが、意外に熱くなりやすい性格でリタイアも多かった。ランキングでグーデリアンを上回る年もあり、ドライバーとしても有能だが監督兼デザイナー兼ドライバーはきついようで、後年は尻すぼみだった。
普段は髪を逆立てているが、マシンに乗る時はヘルメットをかぶるために下ろしている。設定上は「伊達メガネ」ということになっていたが、レース中もメガネあるいはスポーツゴーグル(『SAGA』)を着用しているため、真偽は不明。妹のリサには頭が上がらない。
同じデザイナーとしてクレアが気にかかっているが、彼女の思考にはついていけない。
モデルはアラン・プロスト
第7回GPX6位、第8回GPX9位、第9回GPX3位、第10回GPX5位(24P)、第11回GPX10位(2P)、第12回GPX4位(38P)、第13回GPX3位(39P)、第14回GPX8位(16P)、第15回GPX6位(24P)、第16回GPX6位(24P)。総合最高位3位、通算101戦3勝、167ポイント(2022年まで、第10回以前の優勝数、ポイントは不明のため含まず)。多才すぎて飛びぬけなかった例といえる。自分で製作したマシンを自分でテストできる優位性があるのだが、イマイチ有効に活用できていない。
大友譲二(おおとも じょうじ)(富田晃介)〔アルバトロスDDT 2014-15→(CF引退、解説者を経てラリードライバーに)〕
新条が優勝した2015年の全日本グランプリで2位となり、新条、風見とともにその年の第10回世界選手権からサイバーフォーミュラに参戦(TVシリーズ)。オフロードコースでは強く、「サーキットの野生児」「オフロードの鬼」といった異名を持つが、サイバーシステムに頼らないという無謀なことをしていたため、世界選手権において成績は振るわなかった。第9戦ドイツGPで風見と共に大クラッシュを起こしサイバーフォーミュラから身を引く。復帰後はレースリポーターを経て、ラリードライバーとなる。
『11』では成績低迷で悩むハヤトにアドバイスに登場した。『ZERO』ではオープニングの映像には登場したが本編には現れず、以降のシリーズでは全く登場していない。
北海道出身で鞄にはいつも食べ物(乳製品)が入っている。
第10回GPX9位、4位が最高。第11回よりオフロードが撤廃になったため、ラリー転向は正解といえる。
エデリー・ブーツホルツ(龍田直樹)〔ミッシングリンク 2015-2022→ スゴウGIOグランプリ 2023-〕
F1レースの事故で左目、左腕を失ったが義眼、義手をつけてレーサーとして復帰。その恩義からミッシングリンクのスミスの悪事に手を貸し、アスラーダを狙っていたが、菅生修とのマッチレースを境に改心し、レースに全力を注ぐ。ミッショネルは目立った最新技術もなくエンジンパワーも劣り、他のトップチームには性能で差をつけられているが、ブーツホルツは度々上位に食い込む。これはひとえにブーツホルツの腕である。サイバーフォーミュラでは最年長であるが本人は40歳まで走ると宣言。第18回大会からスゴウに移籍した。
当初は不気味な雰囲気を漂わせていたが、スミスと手を切ってからはベテランとしての落ち着いた存在感を見せている。義眼・義手が大型でサイボーグのような外見(『超人機メタルダー』に登場したトップガンダーに似ている。)だったが、『SAGA』で最新技術を駆使したものに取り替えられ、より違和感のない外見に変わっている。
酔うとコサックダンスを踊る。
ジョセフィーヌというネコを飼っている。
修やクレアとはF1時代からの友人で、『SIN』の最後では2人でシューマッハのサングラスをかけ修をからかっていた。
第10回GPX8位(15P)、第11回GPX6位(23P)、第12回GPX5位(37P)、第13回GPX7位(25P)、第14回GPX6位(21P)、第15回GPX5位(29P)、第16回GPX4位(34P)、第17回GPX6位(26P)。総合最高位4位、通算92戦1勝、210ポイント(2022年まで)。大ベテランと言われるが、第17回大会時点でもまだ29歳である。スゴウ移籍により以前より勝てるマシンを手に入れた今後の活躍が期待される。

2009年01月18日

鎖帷子(くさりかたびら)

鎖帷子(くさりかたびら)は、鎧形式の防具の一種。洋の東西問わず、古代から現代まで使用し続けられている。西洋の物はチェインメイル(英: chain mail)とも言う。日本の物は、衣服の下に着用する場合着込みという名称が使われる。

細く伸ばした鋼線で輪を作り、それらを互いに連結して服の形に仕立てた物である。リングを平たく叩き潰してワッシャー状にし、それらを組み合わせて作られた物や、鎖をそのまま布に縫い付けた物も存在する。

西洋では14世紀頃までは、鉄板から打ち抜くなどして作った継ぎ目の無い輪と、鉄線から作った継ぎ目のある輪を交互に使って鎧として編んだ。編み方には幾つかの方法がある。一つの輪に隣接する幾つの輪を通すかで4 to 1、6 to 1、4 to 2などに分類される。個々の輪の開いた末端は、通常リベットでかしめた。歴史的な物では、針金をそのままドーナツ状にした物よりもこちらの方が軽くて丈夫であった。現代では、通常は木の棒に鋼線をぎっしりと長く巻き付け、コイル状にした物を棒に沿って切断することで多数の輪を一度に作る。

利点

柔軟性と高い防御効果
鎖帷子の大きな特徴は、金属板を成形して作られた鎧や皮革を煮固めて作られた鎧などと違い、高い柔軟性を持つ事である。身体の動きに対応するので長時間着用しての行動が可能で、戦場以外での警戒活動にも適する。ただ、全重量が肩に掛かるという欠点もある(腰にベルトを付けられるよう作れば、重量はいくらか分散される)。また、鎖帷子は刃物による斬撃に対し非常に高い防御効果を示す。反面、刺突・打撃に対しては防御効果は低い。とは言っても、よほど細く鋭い刃物でない限り鎖帷子の隙間を貫くのは困難で、打撃も直撃しなければ表面を滑る程度で済む。ただし、有効射程からの矢には貫かれることが多かったようである。
リーベ フラッ ザイル クチン セドラ タコメ ブラウ レット シスプ じゃくやく ラップワピ デリバリ ツワブキ フリーダム ソート ナビタイア メンマ タルト ガネット スニファー オート スコア えーびー ちょうい たんし ニヒル モップ 国内チュ ティーン ギャレー 幻のユウ ブイゾ シールド パサー タジン ダウンライト コスル ナポリ ヒモパン ジューシー ショー ポニカ いーん リターン パリー トライア バスー 山菜サーチ ヴェリ ローズ


このような性質から、鎖帷子は現代においても防刃着として用いられる場合がある。その場合、ボディアーマー(防弾ベスト)との併用が行われる。ケブラー製のボディアーマーは、弾丸を繊維で絡め取る為非常に効果的であるが、分散緩和する形で衝撃をストップさせる為、刃物で刺されたり、弾丸でも尖った弾頭や細く鋭い高速弾頭が使われた場合は防げない。それを補う意味で、ケブラー繊維同士の間に鎖帷子を挟み込み、その防御力を向上させるのである。2006年現在は、強化樹脂製の防刃パネルを併用する場合が多い。

素肌にそのまま着ると、跡が付く、冷たい、肌がこすれる、汗で錆びるなどの難点があることから、金属鎧と同様に、下に柔らかい布製の鎧下を着用する場合が多い。この鎧下は、打撃武器の衝撃緩和の意味合いも強い。隠密行動に携わる人間が着用する場合は、塗料や煤で黒く塗り光を反射しないようにしたり、二枚の布に挟み込んで、金属同士がこすれる音を低減させたりしたと言われている。

他の防具との併用が可能
もう一つの特徴として、服のように重ね着が可能という点が挙げられる。

身分の高い者が保身の為に薄手の物を平服の下に着用したり、戦場においても革鎧と共に着用して防御力を向上させたりした。騎馬を使用して戦場の最前線に立つ重装騎士に至っては、薄手の革鎧か綿の入った鎧下を着用した上でこの鎖帷子を纏い、さらにその上に全身を覆う鋼の甲冑を付けるという場合もあった。全身甲冑を身に纏っても、首・脇の下・肘の内側・手首・指・股間・膝裏などの関節部分は防御の及ばない急所になるが、鎖帷子はその柔軟さからそれらの部分もカバー出来た。しかし、ただでさえ重量のある板金甲冑の下にさらに鎖帷子を着込む事は、実用上厳しかった局面が多い。また、胸甲の下にさらに鎖帷子があっても防御面では大きな意味を為さない。その為、関節部分の各急所のみに鎖帷子状の補強を施した鎧下の方が西洋では普及していった。部分的な胸甲や、肘・手首を守る篭手だけを身に纏う際に鎖帷子を併用した例もあるが、これはどちらかというと鎖帷子の延長である。

日本でも鎖帷子は重宝されていた。諜報活動に従事する忍者が薄手の鎖帷子を身に付けることがあったほか、街中での小規模の抗争や取り締まりなどにも鎖帷子が用いられることがあったという。新撰組なども鎖帷子を着用しており、ところどころを革や金属で補強したパーツと組み合わせて使用していた。ただし、鎖帷子はたとえ薄手であっても着れば重くて動きにくくなる為、諜報活動に携わる忍者が鎖帷子を愛用していた可能性は低く、忍者がそうしていたとする説は後世の各種創作物の中での誇張である可能性が高い。

手入れ方法
鎖帷子は磨耗・消耗をしやすいので、定期的な手入れが必要となる。

基本的には、油を含ませた布で磨いて錆を未然に防ぐ。既に錆びてしまった部分は、布を用いて磨き粉で擦って削り落とし、油を塗布して再度錆びるのを防ぐ。かつては、錆びた部分があまりに多い場合や多数の鎖帷子を一気に錆落としせねばならない場合は、砂の入った大きな容器に鎖帷子を入れ、洗濯機のごとく棒でかき回して錆落としを行った(非常な重労働であったという)。

斬れたり千切れたりした部分は、同じ材質の針金で縫い合わせる。肩・腕・胴等に分割が可能な物は、その部分ごとに取り替える。